HOME > 流星電波観測とは? > 流星電波観測をはじめよう > ステップ5(パソコンとの接続)

ステップ5(パソコンとの接続)

ページ更新日:

流星電波観測ももう少しで観測をスタートできます.設置が終わったら次はパソコンとの接続ができるようセッティングを行います.

パソコンとの接続:汎用受信機の場合

ケーブルと受信機をつなぎ,電源を入れる

HRO専用受信機の場合は,ケーブルのコネクタの反対側を受信機側へ接続します。そして,DCアダプタからの電源ケーブルを接続します。また反対側の面に,音声ケーブル(両端子ミニジャック)を差し込みます。これで電源を入れれば赤いLEDが点灯します。これで点灯しない場合は,DCアダプタの極性が違っている可能性がありますので,すぐに電源をきって,再確認してください。
また,汎用受信機の場合は,説明書を見ながらアンテナの接続及び電源ケーブルを接続してください.

初代受信機(HRO-RX1a)
受信機1 受信機2

バージョンアップされた受信機(MRX50)
受信機3 音量調整はマイナスドライバ必要

パソコン側へ音を入力する

受信機からの音声ケーブルをそのままパソコンへと引っ張ります。この時,受信機はできるだけ,ノイズの少ない環境に設置しておきましょう。以下のような場合,ノイズが入る可能性があることが指摘されていますので,少し避けてみると良いでしょう。
・パソコン本体,特にCRTモニター(イマドキないとは思いますが)
・LANケーブル,USBハブ,LANのHUB(特にジャンク品)
・冷蔵庫,洗濯機
・バイク
この他にもあると思います。観測しはじめたときにいろいろと試してみてください。

さて,パソコンに音を入力する場合,ディスクトップであれば背面に「ライン入力」の端子があります。またパソコンもどこかに音声入力の端子があるはずです。
音声入力1 音声入力2
最近のパソコンは「ライン入力」と「マイク入力」が分かれていないことも多く,さらに,マイクとイヤホンが同一端子になっているケースも多々あります.ライン入力があればライン入力へ,ライン入力はないがマイク入力があるならそちらへ,それすらなければイヤホン端子に刺してみてください.おそらく大丈夫です.

接続したら,受信機の電源を入れて音量を最大限にしてください。この時点で既にホワイトノイズが聞こえていれば問題ありませんが,音の調整もあるので,以下の手順で確認をしてください。なお,WindowsOSのバージョンによって画面や名称が違う場合があります.以下はWindows10です。

まず,パソコンのタスクバーにあるスピーカーマークの「音量」を右クリックします。
音声入力3

そこから「サウンドの設定を開く」を選択します。
音声入力4

次に,サウンド画面の下の方に「関連設定」があり,「サウンドコントロールパネル」をクリック.
音声入力5

「録音」を選んで,接続しているデバイスで右クリックしてください.ラインやマイクなど,お使いのパソコンとどこに接続したか?によって変わります.「プロパティ」を選んだら,「レベル」を選び,マイク配列とかボリュームという表現になっていると思いますので,そのレベルを調整してください.
音声入力6

もしもこれでも音が出ない場合....
そもそもスピーカーデバイスが無効になっていないか(上図の「再生」タブでわかります),ミュートになっていないかなどを確認してください.

これで設定は終わったので,⑧Startを押して観測を始めます.スタートしたら,HROFFT又はMROFFTを立ち上げてください.一度も起動したことがない方は「HROFFTの設定」もしくは「MROFFTの設定」を参照の上,起動してください.
icon 参考: HROFFTの設定
icon 参考: MROFFTの設定

パソコンとの接続:SDRの場合

ソフトウェアとして何を使うか?

パソコンと受信機を接続する以前に,観測するにはパソコンにインストールするソフトが必要です.どれがいいのか?ということですが,私が試したのは次の2種類.どちらも問題なく使えますが,HDSDRの方が安定して使えるような気がします.

HDSDR

High Definition Software Defined Radioの略だそうです.私は現在このHDSDRを使っています.落ちることもなく安定的に稼働しています.

SDR Sharp

私は当初これを使っていました.特に落ちることもなく機能としては十分です.ただし,若干重いような気もします.また稀に相性が良くないこともあるようです(私は大丈夫でした).

Topへ戻る

HDSDRのインストールから設定

1.必要となるソフトのインストール(事前準備)

Microsoft Visual C++ Runtime 2008 SP1が必要です.既にインストールされているケースもありますが,されていない場合は,上記URLをクリックして,言語を選択しダウンロードボタンを押す.すると,32bitOS(vcredist_x86.exe)なのか,64bitOS(vcredist_x64.exe)なのかできるので,選択してダウンロード・インストールしてください.

Topへ戻る

2.HDSDRのダウンロード

HDSDRのページからダウンロードしてください.2021年6月時点では最新がv2.80なので,最新版でダウンロードします.ベータ版が表示されていることもありますが,ベータ版ですので,使う際は正式版の最新バージョンにしましょう.
HDSDR-1

ダウンロードした後,クリックするとインストールが始まります.任意のフォルダにインストールしてください.

続いて,使用するSDRの機種によって,dllファイルをダウンロードします.
HDSDR-2
ダウンロードしたら,そのファイルを,インストールしたフォルダにコピーしておいてください.
HDSDR-3

Topへ戻る

3.SDR受信機(USBドングル)ドライバのインストール

Zadingのページから,最新バージョンで問題ないですのでダウンロードします.(2021年6月現在は2.5)
HDSDR-4

次にSDR受信機(USBドングル)をUSBポートにつなげてください.(ダウンロードしたzadig-2.5.exeを実行する前に接続してください)
接続後,ダウンロードしたzadig-2.5.exeを実行します.実行すると画面が出るので,「Options」をクリックして,「List All Devices」をクリックしてください.
HDSDR-5

次にプルダウンを押すと,デバイス一覧が出るので,USBポートにさしたデバイスを探します。探したいのですが、製品名で出てきているケースもあれば,そうでもないケースもあります.私は,「Bulk-In,Interface(Interface 0)」と出ました.まぁ,要するに製品名が出てくればそれを選択すればいいし,そうではない場合は,私のように「Bulk-In,Interface(Interface 0)」を選択すればよい.ただし,Interface 0だけではなく,Interface 1が表示されるケースもある.デバイスマネージャー等でどちらのデバイスに接続されているか確認をするとよいでしょう.選択後,「Install Driver」をクリック.2回目以降だと「ReInstall Driver」と表記されます.※以下のイメージでは既にインストールされたパソコンで画面キャプチャをとっているため,デバイスは「RTL2838UHIDIR」,「ReInstall Driver」と表記されています.
インストール完了したら,念のため再起動しましょう.
HDSDR-6

Topへ戻る

4.HDSDRを起動して設定を行う

HDSDRを起動してください.順番に設定をします.一度⑧の「Stop」を押して受信は止めておきましょう(デフォルトで起動するとスタートしてしまうはず).
HDSDR-7

①の「SDR-Device」をクリック。もしかしたら, ExtIOが複数インストールされていると,どれ使うの?と聞かれることがあります.その際は,ExtIORTL-RTL2832.DLLを選択してください.特に問題なく「ExtIORTL-RTL2832.DLL」が表示されることもあります.
次に,(1)のSampleRateを3.2Mbpsに(CPU負荷につながるが,基本最大で).(2)AGCにチェックが入っていたら外す.(3)TunerGainを最大にして閉じてください.
HDSDR-8

次は②「Soundcard」をクリックして,使用するサウンドカードを選択してください.
HDSDR-9

次は③「Bandwidth」をクリック.Inputを3200000,Outputを192000にセット.
HDSDR-10

次は④「Option」をクリック.そのまま「Misc Options」を選択して,その先にある「Lock Gain(AGC=off only)」をクリックしておく(デフォルトはおそらくチェックが入っていない).
HDSDR-11

次に⑤ですが,赤い矢印の先端あたりをクリックする.ただしクリック位置がずれると,何も変わらない.実際はメーターが動いている状態だとわかりやすいです.クリックすると消えたりついたりします.消しておいてください.
HDSDR-12

次は⑥⑦です.受信周波数とモードを選択します.ここではUSBにセットしています.CWやLSBでもセットできますので,ご自身の環境で設定してください.なお,USBの場合は,送信局の周波数から900Hz~1kHzくらいずらして(下げて)セットします.この差が音となりますので,この後設定していくHROFFTやMROFFTも見ながら設定していきます(受信機の周波数が多少ずれていることがあるので,観測しながらこの数値は調整してください).なお,⑦の数字は右クリックすると値が上がり,右クリックすると下がります.
HDSDR-13

これで設定は終わったので,⑧Startを押して観測を始めます.スタートしたら,HROFFT又はMROFFTを立ち上げてください.一度も起動したことがない方は「HROFFTの設定」もしくは「MROFFTの設定」を参照の上,起動してください.
icon 参考: HROFFTの設定
icon 参考: MROFFTの設定

5.音量の調整

 HROFFTやMROFFTの画像を見ながら,音量を調整していきます.HROFFT画面に多少ノイズがちらつく程度に調整してください.音量は「Volume」カーソルですが,もし左右極端な位置になった場合は,「Gain」のカーソルで調整してください.なお,音にはこのSDRソフトウェアの音量に加え,そもそもパソコンのサウンドカード側の音量調整もできます.
HDSDR-14
 一点注意は,パソコン側の音量で見たときに音が振り切れないように注意してください.
HDSDR-15

稀に・・・
SDRとHROFFTやMROFFT側とのサウンドがうまくいかない場合があります.その時は,仮想サウンドカードを試してみてください.私は,通常のサウンドカードでも正常動作していますが,現在は仮想サウンドカードで動かしています.
icon 参考: 仮想サウンドカードを使う

6.参考となるページ

以下に参考となるページを掲載しておきます.

Topへ戻る

SDR Sharpのインストールから設定

1.必要となるソフトのインストール(事前準備)

■ Microsoft .NET 5 Desktop x86 Runtimeのインストール
Microsoft .NET 5 Desktop x86 Runtimeのページからインストールしてください.なお,このページを書いている時点のSDRSharpバージョン(r1811)だと,.NET Desktop Runtime 5.0.2指定(これをクリックするとインストールが始まるページです)になっています.次のステップでSDR Sharpをダウンロードする際,何が必要か必ずご確認ください.下の図のように必要ソフトが書かれていると思います.
SDR Sharp Pre-requisites

なお,以前は.NET Framework 4.6やVisual C++ Runtimeが必要だったようですが,今は必要ないようです.もし動かなければ以下,インストールしてくみてください.
Microsoft .NET Frameworkのページ
 インストールガイドに,OS別のダウンロードページがあります.
Microsoft Visual C++のページ
 32bitOSなのか,64bitOSなのか選択してダウンロード・インストールしてください.

2.この先はダウンロード・インストール・設定

一連の流れについて,杉本弘文氏による「SDRによる電波受信」のページ中段「2.ソフトの起動」の(1)以降で詳しく説明されていますのでご参照ください.


ステップ6 HROFFTで観測をしよう!!」へ