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ペルセウス座流星群の基本情報・観測条件

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ペルセウス座流星群(8月ピーク)について,基本情報や2026年以降のピーク時刻・いつ・どこを見るとよいか等の観測条件を提供しています.夏の風物詩ともいわれ,毎年夏休みの期間中に見やすい流星群です.目で見る眼視観測,雨や曇りなど天候問わず,昼夜連続して観測できる電波観測のそれぞれの観点で紹介します.

ペルセウス座流星群とは?

ペルセウス座流星群とは,毎年8月に豊富な流星数に加え,明るい流星が多く,夏休みということもあり凍える寒さもなく観測しやすい流星群です.流星電波観測でも捉えることはできますが,速い対地速度の影響で,エコー数は伸び悩みます.年によっては相当低いエコー数になることもあります.一方でロングエコーは豊富に捉えられ,ロングエコー数は年間最大です.

ペルセウス座流星群について

名称(和名) ペルセウス座流星群
学術名(コード) Perseids (PER)
出現期間 (IMO)7月17日~8月24日
(IPRMO)8月11日~8月15日
ピーク太陽黄経 (IMO)140°.0
(IPRMO)140°.0
※ピーク日時は年によって違う.「今後の観測条件」参照
ピーク時放射点 赤経 46°.2 / 赤緯 +57°.4
特徴 (IMO)極大出現数(ZHR):100,光度比2.6
(IPRMO)ActivityLevel=1.2,FWHM= -0°.70/+0°.75
母天体・対地速度 109P/Swift-Tuttle,V=59km/s

[上表について]
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構(IMO)のデータを優先

2026年のペルセウス座流星群 観測条件

日本におけるピーク時刻等を加味した2026年ペルセウス座流星群の観測条件は,電波観測としては「好条件」目で見る場合も「良好」です.

電波観測の観測条件

2026年ペルセウス座流星群の日本における「流星電波観測」の観測条件は「好条件」です.

総 評
Good
通常ピークは13日11時頃と日本からは放射点高度も十分.2021年に突発出現した太陽黄経141°.5付近は,2026年は8月15日0時(JST)に相当します.また,2024年に見られた突発出現は8月14日6時頃に相当します.いずれも電波観測では好条件で観測できます.
この他,Vaubaillon氏によると,1079年放出のダストトレイルに8月13日7時頃接近すると計算されています.また,P.Jenniskens氏も8月13日10時あたりで多少の増加を予想しています.いずれも日本の電波観測では観測可能な時間帯.ピーク後の活動が気になるここ数年のペルセウス座流星群です.今年も注目してみましょう.

眼視観測(目で見る場合)の観測条件

2026年のペルセウス座流星群の日本における観測条件は「良好」です.

総論
Normal
月明りナシだが,ピークは日中と残念.Vaubaillon氏による1079年トレイルとの接近も13日7時半と日の出後.Jenniskens氏の「弱いフィラメント」との接近も13日10時と日中. また,電波観測で2024年に見られた突発出現は8月14日06時頃とこちらも薄明後,2021年に見られた突発は8月15日0時半に相当します.
月齢条件
Best
月齢0
月齢0
新月と月明りナシの好条件.月明りは気にせず観測できます.
ピーク時刻
(JST)
Good
8月13日
11時頃
ピークは日中.日本からは13日未明がピークとなるでしょう.なお,1079年トレイルも日本からは日中となる
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」です.月明りもないので,強いて言えば,街明かりがない方角をみると良いでしょう.
おすすめの
時間帯(日本時)
8月12日日没後~8月13日の夜明けまで
<注意事項>
  • 夜の冷え込みは緩いものの,夜露で体が冷えます.長袖は必須です.
  • 蚊に刺される方が多数います.虫よけと共に,大型動物の情報はこまめにチェックしておきましょう.
  • 私有地への無断立ち入りはダメ.ゴミは持ち帰りましょう.当たり前を当たり前に.
  • 感動する気持ちはよくわかりますが,大声で騒ぎ続けることのないよう節度を持って.
  • 寝不足になりますので,居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう.
  • 治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください.
ペルセウス座流星群ピークの夜空

2026年ペルセウス座流星群ピークの頃の夜空
日本時間で2026年8月13日03:00(東京)の夜空.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)

全世界で見た時の観測条件(海外での観測条件)

総 評 通常ピーク時刻からするとヨーロッパが好条件.1079年ダストトレイルとの接近や2024年見られた突発についてもヨーロッパが2026年は好条件.ヨーロッパは眼視/光学/電波それぞれの観測者が豊富にいるため,通常ピーク後の活動が捉えられるか注目です.なお,南半球ではペルセウス座流星群の放射点が高くは昇らないので,見られる流星数は少ないでしょう.
海外でご覧になる際は,治安にくれぐれもご注意ください.

極大夜の観測条件(2026年~2030年)

8月
JST
極大時刻
140°.0
月齢 条件
(眼視)
条件
(電波)
コメント
2026 8月13日11時 0 Good Good 新月もピーク予想は日中で条件は惜しい.電波は好条件
2027 8月13日17時 11 Normal Bad 薄明開始2時間前に月が沈む.通常ピークは夕方だが13日未明は要チェック
2028 8月12日23時 22 Normal Normal 通常ピーク1時間前に月が昇る.電波は12日夕方放射点が低いが要チェック
2029 8月13日06時 3 Good Best ピークは薄明中も月明りがなく好条件.電波も好条件
2030 8月13日12時 14 Bad Normal 満月と日中ピークで悪条件.電波はまずまず
  • 月齢は8月13日です.情報はこよみのページより.
  • ピーク時刻はFAS府中天文同好会のページより太陽黄経から換算(10分ほどの誤差があるとのこと).なお,ピーク時刻が00分~30分までは前の時刻で表示しています(例:06:28の場合は06時と表記).
  • 時刻は日本時(JST).
  • 観測条件は,眼視の場合,ピーク時刻における月齢・薄明・放射点高度から判断.電波観測条件は,ピーク時刻における放射点高度より,BestGoodNormalBadの順で表記.基本的に本プロジェクトの独断なので,他サイトとは違う表記の場合があります.

ペルセウス座流星群の歴史

ペルセウス座流星群は少なくても2000年近くは継続して観測されている歴史ある流星群です.記録も紀元前から始まり,様々なところで記録に残っています.その量はかなり膨大なものになります.1862年前後はかなりの規模の活動が見られたようです.その後もZHR60前後の活動が安定的に観測されています.
1991年に日本やアジアでZHR350(IMO記録)のピークが通常時の極大より少し前に観測され,多くの人を驚かせました.その後,1992年も日本やアジアの各地で多くの出現が観測.1993年以降は徐々にこのピークによる活動は衰退し,現在では従前の活動が残るのみとなっています.
一方,ダストトレイル理論により,2004年にはZHR150付近の突発的な活動が予想され,予想通りの出現が観測されました.また,2016年も予想通りの活発な活動が観測されています.それ以外は例年通りの活動が安定してみられていますが,2014年以降,電波観測では観測されるピーク値が高めに出ています.
この他,太陽黄経141°.5付近で活動レベルが上がる年が時々観測されており,2021年は通常の2倍程の突発出現が観測されました.

ペルセウス座流星群の観測結果

過去の流星電波観測結果によるペルセウス座流星群の観測結果を収録しています.
icon ペルセウス座流星群のこれまでの観測結果

出典

  • HandBook for Visual Observation - The International Meteor Organization (1995)
  • A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
  • Meteor Shower Workbook 2014 (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2014)
  • 2026 Meteor Shower Calendar (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2025)
  • IAU Meteor Data Center
  • Meteor Showers and their Parent Comets (P. Jenniskens) (2006)
  • Major and Daytime Meteor Showers using Radio Meteor Observation in the World covering the period 2001-2016(H.Ogawa and C.Steyaert), WGN 45:4(2017)
  • Report of Meteor Showers using worldwide Radio Meteor Observations (H.Ogawa), Proceeding of IMC 2022 (2023)
  • ・The Big Supprise: A Late Perseids Outburst (Miskotte K. et al.) - eMeteorNews (2021)

参考ページ

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