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みずがめ座η流星群の基本情報・観測条件

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5月にピークを迎えるみずがめ座η流星群について,2026年以降の観測条件を提供しています.いつが見頃になるのか、ポイントを目で見る眼視観測、昼夜天候関係なく観測できる電波観測のそれぞれの観点で紹介.

みずがめ座η流星群とは?

 みずがめ座η流星群とは,5月のゴールデンウィークにピークを迎える流星群であり,出現数は日本からはそれほど多くはありませんが,ゴールデンウィーク(5月大型連休)にピークを迎えることもあり,観測しやすい流星群です.また,夜明け頃の空は,空が暗ければ夏の星座や天の川も見られるので,夜空を楽しむには良いでしょう.この流星群はオーストラリアやニュージーランド,南アジアや南米などで多く見られます。海外でご覧になる場合は,治安にくれぐれもお気を付けください.
 流星電波観測の場合,活動は高現状で,明瞭な鋭いピークは観測されません.4月末からその活動が観測され,5月大型連休中は数日間,同規模の活動が観測されます.ロングエコーも通常時よりは多めに観測できるでしょう.

みずがめ座η流星群について

名称(和名) みずがめ座η流星群
学術名(コード) η-Aquariids(031 ETA)
出現期間 (IMO)4月19日~5月28日
(IPRMO)4月29日~5月11日
ピーク太陽黄経 (IMO)45°.5
(IPRMO)44°.5
※ピーク日時は年によって違う.「今後の観測条件」参照
ピーク時放射点 赤経 338° / 赤緯 -1°
特徴 (IMO)極大出現数(ZHR):60,光度比2.7
(IPRMO)ActivityLevel=1.0,FWHM= -1°.5/+5°.1
母天体・対地速度 1P/Halley,V=66km/s

[上表について]
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構(IMO)のデータを優先

2026年みずがめ座η流星群 日本での観測条件

日本におけるピーク時刻等を加味した2026年みずがめ座η流星群の観測条件は,電波観測としては「条件はよくない」.また,目で見る場合としても「条件はよくない」です.目で見る眼視観測電波観測それぞれの観点で紹介します.

電波観測の観測条件

 2026年みずがめ座η流星群の日本における「流星電波観測」の観測条件は「悪条件」です.(参考:眼視観測の場合

総 評
Bad
ピーク時刻はIMOの太陽黄経45°.5では6日18時頃のため放射点が沈んでいる時間.電波観測の過去の結果(λ=44°.2)だと5月5日10時に相当するので,放射点はまだ地上にあります.いずれにしても,みずがめ座η流星群の活動は数日続くため,あまり気にせず観測できるでしょう.放射点が昇る1時頃から12時過ぎまで観測できるでしょう.ロングエコー数が伸びるかは年によります.

眼視観測(目で見る場合)の観測条件

2026年のみずがめ座η流星群の日本における観測条件は「悪条件」です.

総論
Bad
ピーク時刻は夕方で,しかも一晩中月明りがあり条件は悪い.ただし,みずがめ座η流星群の特性上,活動規模は前後数日続くので,流星自体は前後の日付でも見ることができるでしょう.月明りはどうしようもないので,視界に入れないようにして見ましょう
月齢条件
best
月齢18
月齢18
月齢18とほぼ一晩中月明りがあり,観測条件はよくありません.月を視界に入れないようにして見ましょう.
ピーク時刻
(JST)
Bad
5月6日
18時頃
ピーク時刻は夕方.ただし,前後数日は同規模の活動を見せる流星群なので,この時刻に拘らず,前後の夜間に見てみましょう.
見る方向
(方角)
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」ですが,月本体・街明かりが少ない方向を見てください.
おすすめの
時間帯(日本時)
5月6日01:00~6日夜明け
<注意事項>
  • 夜はまだ冷えるので,必ず長袖をご用意ください.
  • 動物が活動する頃です.特に大型動物の情報はこまめにチェックしておきましょう.
  • 私有地への無断立ち入りはダメ.ゴミは持ち帰りましょう.当たり前を当たり前に.
  • 感動する気持ちはよくわかりますが,頑張って大声は抑えてください.
  • 寝不足になりますので,居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう.
  • 治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください.
みずがめ座η流星群ピークの夜空

2026年みずがめ座η流星群ピークの頃の夜空
日本時間で2026年5月6日03:00(東京)の夜空.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)

全世界で見た時の観測条件(海外での観測条件)

総 評 ピーク時刻からすると中南米が好条件.南米の場合は東海岸だと夜明けの時間帯になっている地域があります.月明りの影響があるのは万国共通です.みずがめ座は南半球へ行くと空高く上がります.なお,海外でご覧になる際は,くれぐれも治安にご注意ください.

みずがめ座η流星群の観測条件(2026~2030年)

5月
JST
極大時刻
45°.5
月齢 条件
(眼視)
条件
(電波)
コメント
2026年 6日18時 18 Bad Bad ピークが夕方で満月過ぎの月明りと条件悪い.電波でも同様
2027年 7日00時 29 Good Normal 月明りは問題なし.ピーク時刻は放射点が昇る直前と微妙
2028年 6日06時 11 Good Best 薄明前30分が暗夜.5日未明,6日未明がお勧め.電波は好条件
2029年 6日13時 22 Bad Normal 月明りとピークが日中で条件悪い.電波でも放射点が沈む時間帯
2030年 6日19時 3 Good Bad 月明りナシ.6日未明か7日未明が見頃.ただしピークは放射点が地平線下
  • 月齢は5月6日です.情報はこよみのページより.
  • ピーク時刻はFAS府中天文同好会のページより太陽黄経から換算(10分ほどの誤差があるとのこと).なお,ピーク時刻が00分~30分までは前の時刻で表示しています(例:06:28の場合は06時と表記).
  • 時刻は日本時(JST).
  • 観測条件は,眼視の場合,ピーク時刻における月齢・薄明・放射点高度から判断.電波観測条件は,ピーク時刻における放射点高度より,BestGoodNormalBadの順で表記.基本的に本プロジェクトの独断なので,他サイトとは違う表記の場合があります.

みずがめ座η流星群の歴史

みずがめ座η流星群は,8世紀の中国で出現したという記録があります.その後ヨーロッパでは1868年から1870年にイタリアの観測者による記録も残っています.1P/Halley彗星との関係から,彗星が回帰する1910年に注目が集まりましたが,通常時よりも活発だったという確かな記録はありません.直近の回帰年であった1986年付近では,1987年には中南米で通常時よりも活発な活動が記録されています.ここ数年では,2012年及び2013年の活動がここ数年と比較すると活発に観測されています.2018年もやや高め.
なお,12年周期で活動が活発化する傾向にあり,2023年と2024年は出現数が多くなる可能性がありますので,ここ数年は引き続きウオッチしてください.その次は2044年~2046年あたりに活発な活動が予想されています.

みずがめ座η流星群の過去の電波観測結果

過去の流星電波観測による結果を収録しています.
icon 過去のみずがめ座η流星群電波観測結果

出典

  • HandBook for Visual Observation - The International Meteor Organization (1995)
  • A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
  • Meteor Shower Workbook 2014 (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2014)
  • 2026 Meteor Shower Calendar (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2025)
  • IAU Meteor Data Center
  • Moedeling the past and future activity of the Halleyids meteor showers (A.Egal et al), Astronomy & Astrophysics (2020)
  • Major and Daytime Meteor Showers using Radio Meteor Observation in the World covering the period 2001-2016(H.Ogawa and C.Steyaert), WGN 45:4(2017)
  • Report of Meteor Showers using worldwide Radio Meteor Observations (H.Ogawa), Proceeding of IMC 2022 (2023)

参考ページ

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