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2018年流星群観測展望

2018年 流星群観測展望 =ペルセウス座流星群・ふたご座流星群は比較的好条件=

 2018年の流星群観測展望です.2018年は,ペルセウス座流星群ふたご座流星群は比較的好条件でご覧いただくことができるでしょう.


1月の観測展望2月の観測展望3月の観測展望4月の観測展望5月の観測展望6月の観測展望
7月の観測展望8月の観測展望9月の観測展望10月の観測展望11月の観測展望12月の観測展望
出典・参考資料及びご留意事項

2018年流星群活動展望(総論)

 2018年は,年間三大流星群は,しぶんぎ座流星群は,満月過ぎの月明りがあるため,月を視界に入れない工夫が必要です.ただしピーク時刻は日本からは好条件で,電波観測では好条件がそろいます.8月にピークを迎えるペルセウス座流星群は,月齢1なので,月明りの影響は心配なく好条件.日本からはピーク時間が日中とはなりますが,13日未明に注目です.世界的にはヨーロッパが適地です.12月にピークを迎えるふたご座流星群は,上弦の月がありますが,夜半には沈みますので,夜半以降,特に15日に日付が変わってから明け方までは多くの流れ星を見ることができるでしょう.総じて2017年の三大流星群は,比較的好条件で観測することができそうです.
この他,いくつか突発出現の可能性が指摘されている流星群もありますので,詳細は各月の情報で記載します.

次のページには,年間の流星群を表形式で掲載していますので,一覧でご覧になりたい場合,ご利用ください.本ページでは詳細にお知りになりたい場合に,ご活用ください.
流星群リスト【公式版】(※国立天文台のホームページ
年間主要流星群リスト【眼視観測編】
年間主要流星群リスト【電波観測編】

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1月の観測展望

 1月の主要流星群「しぶんぎ座流星群」の2018年は,月齢が17と,満月過ぎの月明りがあるため,観測条件としてはよくありません.ピーク時刻は国際流星機構のデータからは,1月4日5時(日本時)頃です.空が暗い場所で見たとして,4日明け方には,1時間あたり20個程度は見られるでしょう.月を目に入れないように月とは反対側の方向をご覧になるとよいでしょう.そして,この頃の夜はメチャクチャ寒いので,防寒対策はしっかりしてから観測に臨んでください.車で移動される方は路面の凍結と,観測後暖かな車内での居眠り運転にはくれぐれもご注意ください.
 1月の流星群として,しぶんぎ座流星群以外では,1時間当たりの出現数が1~数個レベルの小流星群の活動はありますが,1時間に10個を超えてくるような活動はないでしょう.2015年にかに座κ流星群の突発出現が短時間ですが観測されました.2016年も同様の活動があったようです.なお,2018年も同様の活動があるとするならばその時刻は1月10日6時(日本時)です.

 海外では,しぶんぎ座流星群について,月明りがあることは万国共通ですが,観測適地は日本よりはもう少し西側(中国大陸側)の方がピーク時刻と夜の時刻が重なるでしょう.なお,しぶんぎ座流星群はそもそも北半球がメインですので,オーストラリアやニュージーランド,ブラジルなどの南米では,ほとんど見られないでしょう.また,南半球特有の見やすい流星群も特にありませんので,南半球では1月は主な流星群はないでしょう.

 国内の電波観測ではしぶんぎ座流星群の活動が捉えられます.ピーク時刻が4日5時であれば,放射点高度も高く,一番観測しやすい時間帯で,多くの流星エコーやロングエコーが期待できるでしょう.なお,8時~10時頃になると,日本では放射点が天頂付近となり,一時的に流星エコーが減る「天頂効果」が見られます.活動の始まりは1月1日頃から見えてきます.ただし,活発な時期は1日程度なので,4日未明に急増し,翌日にはほぼ落ち着くという活動が見られるでしょう.なお,電波観測でも眼視観測同様,しぶんぎ座流星群が終わった後は,特に顕著な活動は見られないでしょう.

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2月の観測展望

 例年,2月は目立った流星群の活動はなく,眼視観測においても,電波観測においても顕著な流星活動を捉えることはありません.ただし,眼視観測ではこの頃,いくつかの小流星群が活動し,その構造はとても興味深いものがあります.群判定には少々慣れが必要ですが,流星の出現経路を記載し,流星群特定をしてみてはいかがでしょうか.

 流星電波観測では,ほとんど活動らしい活動を捉えることはないでしょう.しかし,何がいつ起こるかは誰にもわかりません.流星群活動の監視は継続して実施してください.また,この頃のデータは各観測地点の観測状況を計る上でとても重要な期間となります.Activity Levelにおいても,通常レベルの定義は2月・3月・9月のデータを使用することが多いので,継続した観測をお願いします.
 なお,昼間流星群として,やぎ座/いて座流星群が2月初旬に見られます.流星電波観測では,世界データとして統合すると全体像が見えることもあります.ただし,そこまで活動レベルが高いわけでもありませんので,通常値に埋もれて気づかないことが多いと思います.ピークとされる時刻は2月2日2時(日本時)頃ですが,そもそも昼間流星群ですので,夜見ることはできません.また,年によっては,ピークが2月1日~4日の間でばらついています.

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3月の観測展望

 2月同様,眼視観測・電波観測共に目立った活動は見られません.主体は2月同様,眼視観測では小流星群の特定がメインです.
 このほか,日本が観測適地ではありませんが,赤道から南半球を中心に,3月21日7時(日本時)頃に,小惑星2016BAに関連すると活動が見られるかもしれません.また,3月31日20時頃(日本時)には,C/1907 G1彗星に関連する活動の可能性も指摘はされています.ただし,いずれも確実なものではないので,「出現有無を確認する」というスタンスで臨まれるとよいでしょう.また,前述のとおり,放射点の位置が前者は-50度,後者は-60度なので,日本からはほとんど見えないでしょう.

 流星電波観測では,先月同様ほとんど活動らしい活動を捉えることはないでしょう.ただし,何らかの活動があると捉えられることもあります.この頃は眼視観測も全体的にデータ数が少なくなる時期ですので,電波観測をされている方は,引き続き監視をお願いいたします.

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4月の観測展望

 4月23日夜明け前に,「こと座流星群」が活動を見せます.2018年の観測条件としては,月明りは上弦の月なので,夜半には沈みます.国際流星機構のピーク時刻では,日本時間で23日3時頃とピーク時刻も好条件がそろいます.観測条件としてはここ数年では好条件に恵まれます.ピーク時刻は,年によっては半日ほどの差が出ます.過去の記録から2018年に置き換えると,22日19時~23日6時くらいでばらつきます.活動規模は年によります.1時間に数個~多くて10個という程度です.一方でこの流星群には突発癖があります(1982年が最後ですが・・・).見頃となるのは,22日23時頃から23日夜明けまでです.日本のような中緯度地域が世界的には好条件.ピーク時刻からはアジアでしょう.南半球からでも見えないことはないですが,放射点が高く昇らないので,よほどの活動がない限りは捉えることが困難でしょう.

 電波観測でもこと座流星群の活動は出現すれば観測はできますが,明瞭な活動がない限り,大きな活動とはなりません.ここ10年ほどの観測結果からも,明瞭と言える活動は捉えられていません.
また,4月末になると,5月にピークを迎えるみずがめ座η流星群の活動が見え始めます.早い年であれば4月29日あたりから見られることもあります.

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5月の観測展望

 5月は,6日未明にみずがめ座η流星群が極大を迎えます.2018年の予想ピークは国内では6日17時頃とピーク時刻は日中となってしまいます.月明りも満月過ぎであり,観測条件としてはあまり恵まれた年ではありません.ただし,2018年は木星との共鳴関係にある年であり,その関連の出現時刻も何名かの方によって計算されています.ただし,あまり流星のサイズ自体は大きくなさそうなので,月明りに負けたしまわないかは心配です.予想値では日本時間では4日未明,5日夕方(日本では昼間)あたりになります.また,1月のしぶんぎ座流星群とは異なり,極大は高原上のピークを迎えるので,多少前後しても大丈夫です.見頃は5日又は6日の明け方でしょう.5日や6日に日付が変わってから月とは反対方向を眺めながら,夜明けまでご覧になってみてください.5月大型連休とも重なります.ぜひご覧になってみてください.
 みずがめ座η流星群以外では,こと座η流星群が5月9日あたりにピークを迎えますが,月明りがあることと,そもそも流星数自体が多くみられません.

 海外では,みずがめ座η流星群が,日本からは放射点高度があまり高くならないのですが,オーストラリアやニュージーランドなど南半球では,みずがめ座自身が空高くに昇るので,多くの流星を見ることができるでしょう.大型連休等で南半球へ出かけられる方は治安等に気をつけながら是非ご覧になってみてください.観測適地は日本と同じ経度であればアジアからオセアニア北部にかけて好条件です.ピーク時刻からすると,アメリカ方面です.中南米で条件が良いでしょう.月明りがあることは万国共通です.

 電波観測では日中でも観測できるので,みずがめ座η流星群のピークを捉えられるかと思いきや,そもそも日本では,みずがめ座が地平線下なので,ピーク時間帯は日本からも観測はできないでしょう.ただし,月明りは関係ないので,5日と6日のそれぞれ未明から昼間にかけては活動を捉えることができるでしょう.ロングエコー数も見れます.エコー総数とロングエコー数がどこまで伸びるか注目です.2012年・13年そして16年には例年よりも活発な活動が観測されました.みずがめ座η流星群は高原状の活動ですので,前後数日間は活発な活動を捉えることができるでしょう.活動自体は4月末から5月10日頃までは捉えられます.
 このほか,電波観測では昼間流星群を捉えることができる年があります(毎年とは言い切れず・・・).5月9日頃にはおひつじ座ε流星群,16日頃に5月おひつじ座流星群,20日頃にはくじら座ο流星群となってはいますが,5月上旬はみずがめ座η流星群の影響もあってなかなか顕著には捉えられません.16日や20日の流星群については,年によっては見られますが,過去10年近くのデータとして平均化してしまうと,その活動を検出することは困難でした.従って,2018年はどうなるか?という観点で観測された方がよいでしょう.

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6月の観測展望

 6月は,月末に,6月うしかい座流星群が極大を迎えます.1998年と2004年に活発な活動を見せましたが,2018年は現時点で突発出現の予想は発表されていません.また,月末が満月ということもあり,観測条件はよくありません.この流星群以外には,眼視観測で見られるものとして,特に目立った流星群はありません.

 一方,電波観測では6月上旬に昼間流星群が極大を迎えます.特に,7日~9日にかけては昼間流星群の活動がピークになります.日本でも,世界データを統合しても顕著に見られます.このピークは主に2つの流星群に起因すると考えられます(流星電波観測では群判定はできないので推測です).おひつじ群流星群が7日頃のピークを構成し,ペルセウスζ流星群が,そのあとの9日~10日にかけての活動を主に構成していると思われます.活動規模は推定値でおひつじ座流星群はペルセウスζ流星群のほぼ倍と推測しています. 6月うしかい座流星群は出現すれば,電波観測でも捉えることはできるでしょう.

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7月の観測展望

 7月になるといよいよ流星群観測シーズンの到来といった様相となります.7月下旬には,みずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群が極大を迎えます.眼視観測では,7月26日頃からは明らかに流星数が増えたと感じると思います.活動は21時前後には輻射点がそれぞれ昇ってきていますので,その後は朝まで観測できます.ただし,2018年はちょうどピークの頃が満月ですので,観測条件としてはよくありません.満月を直接視界に入れないように別の方向を見るようにしてください.
 なお,2016年7月28日9時(日本時)頃に,7月りゅう座γ流星群の突発的な出現が観測されており,2018年では28日21時頃に相当します.どの程度の出現が見られるかはわかりませんし,全く見られない可能性もありますが,みずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群をご覧になりながら,チェックしてみてください.

 電波観測では,みずがめ座δ流星群との相性が良いためか,豊富な流星エコーが観測されます.8月のペルセウス座流星群よりも多くみられることが多いです.活動は20日頃から観測地点によっては見えてきます.例年7月23日から25日付近に一度ピークを捉え,その後高原上の活動が続いた後に30日の主極大を迎えます.30日は明らかにみずがめ座δ流星群ですが,23日付近の活動は何が影響しているのかよくわかっていません.上記した28日の活動も気になりますが,過去7月10日~12日あたりには何かしらの活動らしき構造が見られる年があります.2017年はアメリカ方面を中心として活動が見られました.原因は現時点ではわかっていません.

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8月の観測展望

 8月は,ペルセウス座流星群がピークを迎えます.2018年は月齢1と,ほぼ新月ですので,観測条件としては良好.ピーク時刻が13日10時(日本時)で夜明け後なのが残念ですが,13日明け方には十分楽しめるだけの流れ星が見られるでしょう.見頃となるのは,12日22時頃から13日夜明けまでです.1日程度は前後しても構いませんので,天気を見ながらご覧になってみてください.
 このほか,8月上旬は7月のみずがめ座δ流星群や,やぎ座流星群の余韻が残るでしょう.年によっては,5日頃までは活動が見られると思います.20日頃には,はくちょう座流星群の極大がありますが,その活動を顕著に捉えることはほとんどないでしょう.ペルセウス座流星群が終わると,流星数は減少の一途をたどり,月末頃には活動が落ち着くと思われます.

 海外では,ペルセウス座流星群が見られるのは主に北半球です.北米や欧州,アジア,ハワイなどで見ることができるでしょう.ただし,あまり高緯度過ぎると,白夜で空が暗くならないこともあるので,北半球でも中緯度地域が適しているでしょう.ピーク時間帯からすると,好条件で見られるのは,ヨーロッパで,特に東ヨーロッパでしょう.南半球ではペルセウス座自身が高く昇らないor見られないので,数は少ないでしょう.海外でご覧になる際は,特に治安には十分ご注意ください.

 この時期の夜は寒くはありませんが,夜露で体が濡れることが多く,意外と涼しく感じます.特に山でご覧になる方は,綿の服よりは,防水性のある服のほうが良いでしょう.また,野生動物との遭遇もよくある話です.イタチやタヌキ、キツネなど私も何度か”お会い”したことがあります.小動物は刺激しなければまず大丈夫ですが,大型動物と出会うと危険なので,念のため自治体の注意情報や周辺施設の情報に注意しておきましょう.

 電波観測では,ペルセウス座流星群が観測できるでしょう.ロングエコーが多く観測され,とても派手な印象になると思います.ただし,対地速度が速いため,エコー数そのものは伸び悩むでしょう.例年,眼視観測ほどの顕著な活動グラフにはならないことが多く,眼視観測での活動規模指標となるZHRに換算して初めて全体像が見えてくると思います.また,電波観測は眼視観測よりも若干早めにピークを迎えるよ傾向にあります.電波観測では夜明け後も観測が継続できますので,ペルセウス座が沈むまで追い続けましょう.この他では,はくちょう座流星群が検出されたことは私の記憶の限り21世紀に入ってからはありません.ペルセウス座流星群が終わると流星エコー数も落ち着くでしょう.

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9月の観測展望

 9月は,ちょうど流星群活動の狭間とあって,眼視観測・電波観測共に目立った活動が見られないことが多いです.ただし,2016年には,電波観測者の杉本弘文氏は,9月ペルセウス座ε流星群やエリダヌス座ε流星群と思われる活動が見られています.何かと話題が毎年ある9月です.2018年は,9月21日22時(日本時)頃,小惑星2009SGに関連する活動がJ.Vaubaillon氏によって計算されています.活動規模等はわかりませんが,日本からは夜にあたるので確認してみてください.
 また,電波観測では昼間流星群として,9月末にろくぶんぎ座流星群が活動しているのを捉えらる年があります.世界データを統合して,過去からの平均値を出すとなだらかな高原状の活動を捉えることができます.ただし活動規模がそこまで高くはないので,少しでも活動規模が低いと検出は難しいでしょう.国際流星機構ではピークは27日になっています.

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10月の観測展望

 10月りゅう座流星群がピークを迎えます.2011年や2012年は比較的活発な活動が見られましたが,その後は明確な活動は観測されていません.国際流星機構で記載されているピーク時刻では,9日9時(日本時)ですが,実際過去のピークはこの時間からズレており,過去の記録からすると,9日0時~18時(日本時)あたりまでは要注意で何が起きるかはわかりません.なお,様々な研究者によって,2018年は9日8時台~9時台にかけて小規模ながらも突発出現の可能性が計算されています.残念ながら日本からは日中なので見ることはできないでしょう.月齢はほぼ新月で問題なし.
 10月21日には,オリオン座流星群が極大を迎えます.2018年のピーク予想時刻は22日02時頃(日本時)と特に問題のない時間帯ですが,月めぐりは満月手前と観測条件はよくありません.しかし,オリオン座流星群は明るい流星も見られるので期待しましょう.活動そのものは高原上の活動となるので,前後数日間は同規模の活動が見られるでしょう.オリオン座流星群は,2006年~2009年にかけて比較的活発な活動を見せましたが,その後は低調が続いています.ただし,2017年あたりには少しずつまた流星数が増えるのでは?という話もあります.さて,どうなるでしょうか.

 電波観測では,オリオン座流星群の対地速度が速い関係から,エコー数そのものはここ数年ほぼ通常レベルまで落ち込んでいるため,数そのものは伸び悩むと思います.一方で,ロングエコー数は増えるでしょう.ただし,例年,エコー数の極大とロングエコー数の極大が異なっているケースが多く,特にロングエコー数の極大が遅れる傾向があります.これが何を意味するのかとても興味深いところです.加えて,前述のとおり,2018年~2020年くらいにかけて増えてくる可能性もあるため,2018年もどうなるか注目です.10月りゅう座流星群も,突発的な出現が明確な時は捉えることができています.

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11月の観測展望

 11月はしし座流星群が極大を迎えます.2002年の素晴らしい活動を最後に,2009年にはZHR100程度の活動は見られましたが,当時のような華やかな活動はここ数年全く見られていません.基本的にはこの傾向がしばらくは続くと思われます.2018年のピークは18日7時頃(日本時)、月齢10と通常ピーク時刻は夜明けですが,月は夜半に沈むため,18日夜明け前の観測条件は良好です.何名かの研究者が,いくつかの小ピークを予想しています.11月19日8時頃,20日7時~9時頃,20日16時~18時頃,21日10時頃,26日8時頃(時刻はすべて日本時)があります.ただし,いずれも華やかな活動が見られるようなものではないでしょう.
 この他,おうし座流星群の北群が11月12日頃にピークを迎えます.数こそ多くはありませんが,1998年には火球が多く流れるなど,時々明るい流星が見られます.また,満月近い条件ですが,いっかくじゅう座α流星群が11月22日9時頃(日本時)にピークが予想されています.流星数も多くは見込まれていませんが,見られるかどうかは注目したいところ.

 電波観測では,しし座流星群の活動は,突発出現がない限り,活動はほとんど捉えられないでしょう.対地速度が速いためロングエコーは散発すると思いますが,派手な活動とまではいかないと思います.上述したそれぞれの小ピークが検出できるかどうかは要チェックです.
 このほか,5日頃を中心として,高原上の活動が見られることがあります.これは,おうし座流星群によるものと思われます.ロングエコー数も同様にあがることがあります.また,いっかくじゅう座α流星群も2016年に検出された観測地点もありますので,2018年も引き続き注意しましょう!

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12月の観測展望

 12月はふたご座流星群が極大を迎えます.2017年のふたご座流星群は,月齢7と,上弦の月であり,夜半には月が沈みます.ふたご座が空高くにある頃には,月明りもなく好条件で観測できるでしょう.また,予想ピーク時刻は日本時間で14日21時なので,おすすめは15日に日付が変わる頃から,15日の明け方にかけてでしょう.なお,13日夜から14日未明でも結構です.ふたご座流星群の活発な時間帯は,国際流星機構によると,14日5時~15日2時頃とされています.この頃の観測は極寒ですので,防寒対策はしっかりと.車で移動される場合は路面凍結や観測後は車内が暖かいので,居眠り運転には十分注意してください.
 この他,12月22日~23日にかけて,こぐま座流星群がピークを迎えます.特に23日4時~5時頃(日本時)は注意してみましょう.日本では空が少し明るいかもしれません.中国やモンゴルなどは好条件でしょう.この流星群は,こぐま座が見えないと出現は捉えられませんので,南半球では見られません.

 電波観測では多くのエコーがふたご座流星群で捉えることができるでしょう.日本国内では1時から2時頃に輻射点高度が天頂付近を通過するときにエコー数が激減する「天頂効果」が見られます.ロングエコーもそこそこ見られると思いますので,充実した流星群活動となるでしょう.電波観測には月明かりは関係ありません.ピーク時刻もまずまずの好条件です.エコー数の増加は10日あたりからは多くの流星が観測できるでしょう.なお,ピーク後は急速にエコー数が減ります.
 このほか,こぐま座流星群が極大を迎えますが,突発出現がない限り,明確な活動は捉えられないと思っていましたが,2004年以降の結果を見てみると,意外と小規模ながら活動が捉えられます.その中でも,2014年は比較的多めの活動が捉えられています.2016年も明確に活動が捉えられています.

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出典・参考資料及びご留意事項

 本ページは,主に国際流星機構が発行している「Meteor Shower Calendar 2018」(英文)の情報を参考にしています.一部,国際天文学連合(IAU)や,国立天文台の情報も参考しております.

本ページに記載の情報は,可能な限り最新としていますが,更新が間に合わない場合もあります.また,これら流星群の出現を確実にお約束するものではありません.また,見られる流星数も空の条件や周囲の条件,地理的条件によって大きく変化しますので,予めご了承ください.

ご覧になる際は,次のことにご注意・ご配慮ください.
 ・私有地への立ち入りや,ゴミ,大きな声で騒ぐ等,周囲へご配慮ください.
 ・治安と野生動物には注意してください.
 ・お子様は必ず大人の方とご覧ください.
 ・特に海外では治安の悪いところもありますので,十分にご注意ください.
以下,特にについての留意事項です.
 ・夏場でも夜は冷えます.長袖は必ず持参しましょう.
 ・虫(特に蚊)に刺される人が多くいます.虫よけも持参しましょう.
以下,特に秋~春についての留意事項です.
 ・特に冬は想像を絶する寒さです.スキーウェアは必須.防寒対策を厳重に.
 ・暖かい飲み物やカイロもよいでしょう.ただし,直火で暖をとるのはやめてください.
 ・車での移動は,路面凍結にご注意.積雪地では,一酸化炭素中毒にも注意してください.
  また,観測後暖かい社内では眠くなります.居眠り運転しないよう注意してください.