しし座流星群 観測結果(2024年)
2024年は国際流星機構(IMO)のMeteor Shower Calendar 2024によると,Vaubaillon氏が太陽黄経λ⊙=232°.46(11月15日1h37mJST)で古いダストトレイルと接近すると予想しており,さらに,佐藤幹哉氏は1733年のダストトレイルが,λ⊙=237°.805、230°.848(11月20日8h53m、9h54mJST)に接近すると予想していました.ただし,いずれもダストトレイルとの距離が離れている事や放出速度が速いことに加え,電波観測では,しし座流星群の場合,暗い流星ほど観測しづらいので検出は難しいとみられていました.
下のグラフが16か国46データから求めている2024年しし座流星群の観測結果です.結果として,λ⊙=232°.5は増えているようにも見えますが,同時間帯にマイナスの値もあることを考えると,顕著な活動があったとは言い難いと考えています.λ⊙=237°.80~230°.85付近についても,前後の上下ブレ幅を考えると顕著な活動はなかったと思われます.
一方で,λ⊙=230°.53(11月13日3時JST台)に,国内の多くの地点でエコー数が増加し,前後の時間と比較しても明らかに活動レベルが上がりました.下のグラフの左下がその頃の拡大ですが,λ⊙=230°.4付近からλ⊙=230°.6付近で増加が見られます.ただし、これがしし座流星群によるものかどうかは現時点では不明です.ただ,国内の多くの地点で上昇していることを考えると,偶然の産物と片付けるには若干無理があると思いますので,何らかの活動があった可能性はあります.なお,この日のロングエコー数は特段多いといった傾向はありません.ロングエコー数が増えたのは18日と20日JSTでした.世界観測結果統合グラフ
ピーク構造
Time(UT) | λ⊙(max) | Activity Level |
---|---|---|
Nov.12 18h30m | 238°.53 | 1.10 ± 0.17 |
流星群活動推定構造
Comp.-No. | Peak Time(UT) | λ⊙(max) | A(max) | FWHM(hr) |
---|---|---|---|---|
LEO24C01 | Nov.20th 03h30m | 237°.96 | 0.2(*) | -60.0 / +60.0 |
LEO24C02 | Nov.12th 18h30m | 235°.53 | 1.0 | -2.0 / +1.5 |
(*)流星群活動のない通常時のActivity Levelは,0.0±0.4なので,0.4を下回る数値については,通常値の誤差範囲との区分が難しく,参考程度の値としてお取り扱いください.
Reference
- 20° < R.P. < 80°
- Structure of meteor activity is estimated by "Lorentz profile".
- Observed data provided by RMOJ and RMOB