おひつじ座/ペルセウス座ζ昼間流星群観測結果
おひつじ座昼間流星群とペルセウス座ζ昼間流星群は同時期の活動となり,流星電波観測は流星群分離ができないため,集計後に構成要素として分離しています.昼間流星群の中では,年間最大規模であり,年によって多少の増減はあるものの,際立って活発だった年も見受けられず,毎年ほぼ同規模の活動が捉えられています.
各年の概要(電波観測結果より)
西暦 |
データ区分 |
概要(時刻はJSTで記載) |
2020年 |
世界統合 |
太陽黄経84°~88°付近は例年より多い.75°付近も多め. |
2019年 |
世界統合 |
データのばらつきがあるものの全体的には例年並みの活動だった様子. |
2018年 |
世界統合 |
推定値としては例年並みかやや低め.特に太陽黄経84°~86°は今年は静か |
2017年 |
世界統合 |
全体的には例年並みの活動だった様子. |
2016年 |
- |
未解析(データ数が世界的に少ないため集計していない) |
2015年 |
世界統合 |
全体的にはやや低めの印象も推定値は例年並み.太陽黄経84°-86°は例年並み |
2014年 |
世界統合 |
例年よりはやや高め.推定ピーク時刻は例年並み. |
2013年 |
世界統合 |
例年よりも弱めの活動.後半80°以降は少ない. |
2012年 |
世界統合 |
例年よりも多め.ほぼ全期間において例年値より高い.推定ピーク時刻など例年並み. |
2011年 |
世界統合 |
例年よりも弱めの活動.特に太陽黄経76°~79°付近が元気ない |
2010年 |
世界統合 |
例年並みの活動.全体の活動傾向が例年と似ている. |
2009年 |
世界統合 |
例年よりはやや多め.活発な活動期間が長く太陽黄経76°~86°付近まで |
2008年 |
世界統合 |
活動規模としては例年並みも2007年よりは少ないか.2006年と同じ様相 |
2007年 |
世界統合 |
太陽黄経78°~84°付近までが活発. |
2006年 |
世界統合 |
活動規模は例年並み.太陽黄経84°.0付近の活動はやや弱い. |
2005年 |
- |
未解析 |
2004年 |
- |
未解析 |
2003年 |
- |
未解析 |
2002年 |
みさと天文台 |
6月9日頃と18日頃にピーク。前者がおひつじ群,後者はペルセウス座ζ群か?? |
2001年 |
みさと天文台 |
6月9日頃に高原状ピーク。午後に別ピークが観測された。 |
2000年 |
みさと天文台 |
6月9日頃に高原状ピーク。活動は6月16日頃まで顕著。最大HRは100近い |
過去の平均値(2006年~2020年)
パラメータとして「おひつじ座流星群」を使った場合
期間 |
ピーク(λ⊙) |
FWHM |
A(t)(max) |
全期間 |
78°.6 |
-4°.6 / +9°.2 |
1.1 |
2006-2015 |
78°.6 |
-4°.8 / +9°.4 |
1.1 |
2011-2020 |
79°.0 |
-5°.0 / +8°.6 |
1.1 |
パラメータとして「ペルセウス座ζ流星群」を使った場合
期間 |
ピーク(λ⊙) |
FWHM |
A(t)(max) |
全期間 |
78°.4 |
-4°.2 / +9°.4 |
1.0 |
2006-2015 |
78°.4 |
-4°.8 / +10°.2 |
1.0 |
2011-2020 |
78°.8 |
-5°.0 / +10°.6 |
0.9 |
おひつじ座昼間流星群、ペルセウス座ζ昼間流星群の分離に関する議論
以下のグラフは,全期間で算出したものです.それぞれ,おひつじ座流星群・ペルセウス座ζ流星群のパラメータを用いたグラフです.青色の点が推定値.それらを2要素に分解して全体活動を推定しています.Lorentz(赤線)がComp-A(橙線)とComp-B(青線)の値の合計です.
パラメータとして「おひつじ座流星群」を使った場合
期間 |
構成要素 |
ピーク(λ⊙) |
FWHM |
A(t)(max) |
2006-2020 |
Comp-A |
78°.0 |
-4°.0 / +6°.2 |
0.9 |
Comp-B |
84°.8 |
-6°.2 / +3°.8 |
0.4 |
パラメータとして「ペルセウス座ζ流星群」を使った場合
期間 |
構成要素 |
ピーク(λ⊙) |
FWHM |
A(t)(max) |
2006-2020 |
Comp-A |
77°.4 |
-3°.4 / +7°.0 |
0.7 |
Comp-B |
84°.8 |
-7°.8 / +4°.0 |
0.4 |
ディスカッションポイント
ディスカッションポイントはComp-AとComp-Bが何か?ということ.おひつじ座昼間流星群とペルセウス座ζ昼間流星群とは活動時期が重なっていることは周知であり,放射点位置も大きくは異なりません.
現時点では,当方の見解として,おひつじ座昼間流星群のパラメータを使ったComp-A(Comp-AARIとおく)を「(推定)おひつじ座昼間流星群」,ペルセウス座ζ昼間流星群のパラメータを使ったComp-B(Comp-BZPEとおく)を,「(推定)ペルセウス座ζ昼間流星群」としていますが,本当にそれが妥当なのか?については,今後も引き続き検討していきます.
おひつじ座昼間流星群、ペルセウス座ζ昼間流星群について
おひつじ座昼間流星群
ペルセウス座ζ昼間流星群