みずがめ座η流星群の基本情報・観測条件
5月にピークを迎えるみずがめ座η流星群について,2025年以降の観測条件を提供しています.いつが見頃になるのか、ポイントを目で見る眼視観測、昼夜天候関係なく観測できる電波観測のそれぞれの観点で紹介.
みずがめ座η流星群とは?
みずがめ座η流星群とは,5月のゴールデンウィークにピークを迎える流星群であり,出現数は日本からはそれほど多くはありませんが,ゴールデンウィーク(5月大型連休)にピークを迎えることもあり,観測しやすい流星群です.また,夜明け頃の空は,空が暗ければ夏の星座や天の川も見られるので,夜空を楽しむには良いでしょう.この流星群はオーストラリアやニュージーランド,南アジアや南米などで多く見られます。海外でご覧になる場合は,治安にくれぐれもお気を付けください.
流星電波観測の場合,活動は高現状で,明瞭な鋭いピークは観測されません.4月末からその活動が観測され,5月大型連休中は数日間,同規模の活動が観測されます.ロングエコーも通常時よりは多めに観測できるでしょう.
みずがめ座η流星群について
名称(和名) | みずがめ座η流星群 |
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学術名(コード) | η-Aquariids(031 ETA) |
出現期間 | (IMO)4月19日~5月28日 (IPRMO)4月29日~5月11日 |
ピーク太陽黄経 | (IMO)45°.5 (IPRMO)44°.5 ※ピーク日時は年によって違う.「今後の観測条件」参照 |
ピーク時放射点 | 赤経 338° / 赤緯 -1° |
特徴 | (IMO)極大出現数(ZHR):60,光度比2.7 (IPRMO)ActivityLevel=1.0,FWHM= -1°.5/+5°.1 |
母天体・対地速度 | 1P/Halley,V∞=66km/s |
[上表について]
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構(IMO)のデータを優先
みずがめ座η流星群の観測条件(2025~2030年)
5月 JST |
極大時刻 45°.5 |
月齢 | 条件 (眼視) |
条件 (電波) |
コメント |
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2025年 | 6日12時 | 8 | 夜半以降は月が沈むので,6日未明が良いでしょう. | ||
2026年 | 6日18時 | 18 | ピークが夕方で満月過ぎの月明りと条件悪い.電波でも同様 | ||
2027年 | 7日00時 | 29 | 月明りは問題なし.ピーク時刻は放射点が昇る直前と微妙 | ||
2028年 | 6日06時 | 11 | 薄明前30分が暗夜.5日未明,6日未明がお勧め.電波は好条件 | ||
2029年 | 6日13時 | 22 | 月明りとピークが日中で条件悪い.電波でも放射点が沈む時間帯 | ||
2030年 | 6日19時 | 3 | 月明りナシ.6日未明か7日未明が見頃.ただしピークは放射点が地平線下 |
- 月齢は5月6日です.情報はこよみのページより.
- ピーク時刻はFAS府中天文同好会のページより太陽黄経から換算(10分ほどの誤差があるとのこと).なお,ピーク時刻が00分~30分までは前の時刻で表示しています(例:06:28の場合は06時と表記).
- 時刻は日本時(JST).
- 観測条件は,眼視の場合,ピーク時刻における月齢・薄明・放射点高度から判断.電波観測条件は,ピーク時刻における放射点高度より,,,,の順で表記.基本的に本プロジェクトの独断なので,他サイトとは違う表記の場合があります.
みずがめ座η流星群の歴史
みずがめ座η流星群は,8世紀の中国で出現したという記録があります.その後ヨーロッパでは1868年から1870年にイタリアの観測者による記録も残っています.1P/Halley彗星との関係から,彗星が回帰する1910年に注目が集まりましたが,通常時よりも活発だったという確かな記録はありません.直近の回帰年であった1986年付近では,1987年には中南米で通常時よりも活発な活動が記録されています.ここ数年では,2012年及び2013年の活動がここ数年と比較すると活発に観測されています.2018年もやや高め.
なお,12年周期で活動が活発化する傾向にあり,2023年と2024年は出現数が多くなる可能性がありますので,ここ数年は引き続きウオッチしてください.その次は2044年~2046年あたりに活発な活動が予想されています.
みずがめ座η流星群の過去の電波観測結果
過去の流星電波観測による結果を収録しています.
過去のみずがめ座η流星群電波観測結果
出典
・HandBook for Visual Observation (The International Meteor Organization) (1995)
・A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
・Meteor Shower Workbook 2014 (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2014)
・2023 Meteor Shower Calendar (J.Rendtel) - International Meteor Organization (2022)
・Moedeling the past and future activity of the Halleyids meteor showers (A.Egal et al), Astronomy & Astrophysics (2020)
参考ページ
・国際流星機構(IMO)
・国立天文台
・国際天文学連合(IAU)
・流星の部屋(内山茂男氏)