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ふたご座流星群 観測結果(2023年)

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2023年のふたご座流星群は,メインピークは例年通りλ=262⪚.00(12月14日23:30JST)頃にピークを迎えた様子.ピーク値はActivity Level(AL)=6.2±0.3と過去10年平均値AL=4.5と比較すると約1.5倍でした.一方で,ピーク前の太陽黄経λ=260°.0付近(12日23:30JST前後)にサブピークを検出しました.Lorentz曲線で要素分解すると,主活動のピークがλ=262°.1でAL=5.5,サブピークがλ=260°.0で,AL=1.0と推定されます

世界観測結果統合グラフ

Geminids 2023

ピーク構造

Time(UT) Solar Long. Activity Level
Dec.12th 13h
Dec.14th 14h
259°.922
261°.998
2.73 ± 0.81
6.18 ± 0.28

流星群活動推定構造

Comp.No. Peak Time(UT) Solar Long. A(max) FWHM(hr)
GEM23C01
GEM23C02
Dec.12th 14h30m
Dec.14th 16h30m
259°.96
262°.08
1.0
5.5
-1.5 / +2.0
-37.0 / +12.0

サブピークが一体何なのか?

2023年は46P/Wirtanen彗星に関連する流星群の出現が,λ=259°.7~259°.9で起きる可能性があると予想されていました(Vaubaillon et al. 2023).CBETにも第一報として光学のデータと共にこの増加が,「46P/Wirtanen彗星によってもたらされた可能性」として掲載されました(Jenniskens et al. 2023).

一方,流星電波観測国際プロジェクト(IPRMO)では様々な角度からこの増加要因を考察しており,その結論として,増加のほとんどがふたご座流星群によるものと思われ,46P/Wirtanenによる活動は,あったとしても小規模であると結論づけています.背景として,①観測条件に恵まれるオーストラリアの観測地点では顕著な増加がみられていないこと,②放射点高度がふたご座流星群と重ならない時間を使い,かつ46P/Wirtanen彗星関連群と予想された放射点情報を用いた場合に増加がほぼ見られないこと,③放射点高度が0度だとしてもCHRrベースで60~70規模あること等を挙げています.ただし,少なくともIPRMOが集計を開始した2002年以降に類似の活動は見られなかったこと,46P/Wirtanen彗星関連群の予想日時とふたご座流星群の予想外の増加が偶然一致しただけと片付けてよいのかなど,留意点も整理されています.本件について,詳細な考察は別途国際流星機構(IMO)が発行するWGNに掲載されています.ご興味ある方はそちらをご覧ください.

  • Jenniskens P., Sugimoto H., Scott J., Vida D. (2023). “Meteors from comet 46P/Wirtanen”. CBET 5324, D.W.E. Green (ed.), 2023 December 13.
  • Vaubaillon J., Ye Q.-Z., Egal A., Sato M., and Moser D. E. (2023). “A new meteor shower from comet 46P/Wirtanen expected in December 2023”. Submitted for publication in Astronomy & Astrophysics (https://arxiv.org/pdf/2312.02636.pdf)

Parameter

  • Radiant : α = 112°.0, δ = +32°.0
  • Radian Elevation : 25° < h < 70°
  • Using data within ± 0.50 σ in all observed data.

Reference

  • Structure of meteor activity is estimated by "Lorentz profile".
  • Observed data provided by RMOJ and RMOB

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