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ペルセウス座流星群 観測結果(2022年)

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 2022年は15カ国47データを使用して最終集計しました.2021年に突発出現した活動がどうなるのか気になるところでしたが,2022年も多少の出現は見せたようですが,2021年のような活発な活動とはなりませんでした.とはいえ,2022年も活動を見せたことはこれはこれで興味深いところです.2021年のみならず過去何度か,この太陽黄経141°.5付近はピークを見せています.あわせて,太陽黄経141°付近も過去何度か活動を見せています.

世界観測結果統合グラフ

 2022年のピークは主に3箇所.日本時間で8月13日12時頃(λ=140°.09),14日13時頃(λ=141°.09),そして15日0時頃(λ=141°.53)です.おそらく13日12時頃のピークが例年のピークで,前後2時間ほど同規模で活動が推移しました.その後も下がりは鈍く,ゆっくりとした減少となりました.

2022年ペルセウス座流星群結果
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ピーク構造

Time(UT) Solar Long. Activity Level
Aug. 13 03h 140°.086 1.66 ± 0.34
Aug. 14 04h 141°.086 1.42 ± 0.46
Aug. 14 15h 141°.526 1.34 ± 0.18

流星群活動推定構造

 2022年の活動構造を推定するのはとても難しかったのですが,最終的には2要素で分解した場合を公式値として扱うことにしました.まず,当然構成要素を増やせば,推定曲線との差分は小さくなります.実際は4要素構成まで検証していますが,3要素も4要素も例年の活動となる構成要素の妥当解がわかりませんでした.例えば3要素の場合,図でいえばComp-Aがペルセウス座流星群のベースを構成し,Comp-BとComp-Cがサブピークを構成しています.仮にこの近似だと,過去これまでベースとなる構成のピークが太陽黄経140°.8となったことはなく,明らかに異常のため違うと考えています.一方でCom-Cだとすると,確かにピークは140°.13なので,過去のデータからも妥当なのですが,半値半幅が狭すぎで,ペルセウス座流星群のベース活動というよりは,ダストトレイルとの接近やフィラメント構造(たまたまそこだけダストの濃度が高かった)によるものと考えています.ということはComp-AもComp-Cもどちらも「ペルセウス座流星群のベース構成」とするには無理があり,結果,2要素で構成し,所々の突出は偶然その場所にダストが多かったものと推察しました.従って,現時点では,2要素を公式見解とし,Comp-Aを例年活動,Comp-Bを特異出現としました.

2要素で構成した場合<公式見解>

2022年ペルセウス座流星群推定構造

Comp.No. Peak Time(UT) Solar Long. A(max) FWHM(hr)
PER22C01 Aug.13 08h30m 140°.286 1.2 -20.0/+24.0
PER22C02 Aug.14 15h30m 141°.526 0.9 -3.0/+4.0

図のComp-AはPER22C01に相当.Comp-BはPER22C02に相当します.

3要素で構成した場合

2022年ペルセウス座流星群推定構造

Comp.No. Peak Time(UT) Solar Long. A(max) FWHM(hr)
PER22C01 Aug.13 04h30m 140°.126 0.7 -5.0/+5.0
PER22C02 Aug.13 20h30m 140°.766 0.9 -33.0/+20.0
PER22C03 Aug.14 15h30m 141°.526 0.8 -3.0/+4.5

図のComp-AはPER22C02に相当.Comp-BはPER22C03,Comp-CがPER22C01に相当します.

Parameters

  • Radiant : α = 46°.2, δ = +57°.4
  • Radian Elevation : 20° < h
  • Using data within ± 0.50 σ in all observed data.

References

  • Jenniskens P., Crawford C., Butow S. J., Nugent D., Koop M., Holman D., Houston J., Jobse K., Kronk G., and Beatty K. (2000). "Lorentz shaped comet dust trail cross section from new hybrid visual and video meteor counting technique imprications for future Leonid storm encounters". Earth, Moon and Planets, 82–83, 191–208.
  • Observed data provided by RMOJ and RMOB