夏の流星群といえば「ペルセウス座流星群」．2023年の見頃及び観測のポイントについて，目で見る眼視観測，電波観測それぞれの観点で紹介します．
日本での観測条件（総評）
2021年に想定外の突発出現見せたピークは2023年は8月15日6時頃に相当し，電波観測では観測が可能です（ただし，出現するという予想も保証もございません）．
それでは，目で見る眼視観測，電波観測それぞれの観点で紹介します．
眼視観測の観測条件
眼視観測（目で見る場合）の観測条件は「まずまず」です．
| 総論 |  |
ピーク時刻は昼間です．ただし，月明りは気にする必要はないので，ピーク時刻の条件は残念ですが，条件としてはまずまずでしょう． | |
|---|---|---|---|
| 月齢条件 |  |
月齢26 |
月齢26と特に月明りを気にする必要はないでしょう． |
| ピーク時刻 (JST) |
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8月13日 17時頃 |
ピーク時刻は夕方と条件は悪い．前後の13日未明・14日未明が見頃です． |
| 見る方向 (方角) |
流星の出現位置という意味では「どこでも構わない」ですが，街明かりが少ない方向を見てください． | ||
| おすすめの 時間帯(日本時) |
8月13日20:30～14日夜明け 8月12日20:30～13日夜明け |
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ご覧になる際の注意事項
- 夜は冷えるので，必ず長袖をご用意ください．
- 動物が活動する頃です．特に大型動物の情報はこまめにチェックしておきましょう．
- 私有地への無断立ち入りはダメ．ゴミは持ち帰りましょう．当たり前を当たり前に．
- 感動する気持ちはよくわかりますが，大声は抑えてください．
- 寝不足になりますので，居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう．
- 治安には十分ご留意頂き，お子様には必ず大人の方が付き添ってください．
ペルセウス座流星群ピークの夜空
日本時間で2023年8月14日02:00（東京）の夜空．
星図：StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)／(Amazon)
予想流星数
1時間あたりに期待できる流星数を計算しました．街の明かりが少なく夜空が暗い場所で，雲がないことを想定しています．あくまで机上の計算ですので参考程度にご覧ください．12日夜～13日未明よりも，13日夜～14日未明の方が期待される流星数は多くなります．とはいえ，ほぼ同じですので，天気やご予定合わせてご覧ください．
| 12日～13日 | 13日～14日 | |
|---|---|---|
| 19時台（薄明中） | 1 | 2 |
| 20時台 | 8 | 13 |
| 21時台 | 12 | 18 |
| 22時台 | 18 | 25 |
| 23時台 | 24 | 31 |
| 00時台 | 30 | 37 |
| 01時台 | 37 | 42 |
| 02時台 | 43 | 43 |
| 03時台 | 42 | 44 |
| 04時台（薄明中） | 1 | 1 |
電波観測の観測条件
2023年ペルセウス座流星群の日本における「流星電波観測」の観測条件は「あまりよくない」です．（参考：眼視観測の場合）
| 総 評 |  |
ピーク時刻の放射点高度は一日の中でも一番低い時間帯となり条件としては決して良くはありません．期待エコー数は13日も14日もほぼ同じですが，ピークに近いのは13日明け方から昼頃まで．ロングエコーの増加に期待． |
|---|
このグラフは，流星電波観測による過去の結果から，流星エコー数が通常よりどの程度多くなりそうかを計算したものです．ピークを挟んで13日も14日もほぼ同じのエコー数が期待できると思いますが，13日明け方から昼頃までが日本からはピークとなるでしょう．
世界で見た時の観測条件
| 総 評 | ピーク時刻からすると北アメリカが好条件．月明りもないので好条件下で観測することができるでしょう！ なお，海外でご覧になる際は，くれぐれも治安にご注意ください． |
|---|
ペルセウス座流星群とは？
ペルセウス座流星群は，夏休みに見られる流星群で，毎年確実に流星を見ることができます．明るい流星の比率が高く，夜の冷え込みも緩いため，初心者でもとても見やすい流星群です．2021年に通常ピークの1.5日後に想定外の突発出現が見られました（Miskottte et al. 2021 )．2023年は8月15日6時頃に相当します．
流星電波観測の場合，対地速度が速くエコー総数は伸び悩みみます．一方で1日あたりのロングエコー数は年間最大となります．
詳細は「ペルセウス座流星群（８月）の基本情報・観測条件」をご覧ください。
参考文献
- J. Rendtel (2023): “Meteor Shower Calendar”, International Meteor Organization.
- Miskotte, H.Sugimoto and P.Martin (2021): “The Big Supprise: A Late Perseids Outburst”, eMeteorNews, 6, 517-525.
- Ogawa (2022): “Meteor Shower Calendar 2023 for Radio Meteor Observations”, IPRMO.
- 飯山青海（2009）:”観測指針8月”, 日本流星研究会 天文回報, 805, 2-4.
- 小川宏（2023）:”観測指針8月”, 日本流星研究会 天文回報, 973, 2-6.
