2023年夏にみられる流星群を紹介します。7月末はみずがめ座δ流星群、8月にはペルセウス座流星群がピークを迎えます。
7月末はみずがめ座δ流星群
夏休みに入って早々、7月末にはみずがめ座δ流星群がピークを迎えます。毎年安定して活動が見られます。ただ、安定しているが故に(?)、突発出現は聞いたことがありません。
眼視観測(目で見る場合)-2023年は月がある
2023年のみずがめ座δ流星群の観測条件は、月明りがあります。ピークは7月31日頃です。ピークは短期間ではなく、数日間は同規模が続きますので、ご都合や天候に応じて、前後していただいて構いません。ただし、月明りの関係上、後ろ倒しするよりは前の方がよさそうです。7月29日と30日が土日となるので、多少ずらすならこの週末の方がよいでしょう。
日本時間で2023年7月31日03:00(東京)の夜空.放射点近くには土星がある。 <br />
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)
電波観測の場合-多くのエコーが捉えられる
流星電波観測では、毎年多くの流星エコーを観測することができます。例年ペルセウス座流星群よりも流星エコー数だけ考えると多く捉えられるでしょう。7月27日~31日あたりに注目です。ピーク後は活動レベルがゆっくりと下がることが多く、そのままペルセウス座流星群に突入します。
<みずがめ座δ流星群 参考情報>
8月はペルセウス座流星群
ペルセウス座流星群は毎年多くの明るい流れ星が見られる流星群です。2023年はピーク時刻こそ夕方であるものの、月明りの影響はなく好条件。電波観測では流星エコー総数はそこまで多くありませんが、ロングエコーは年間最大となります。また、2021年はピークから1日超えた後に突発出現が見られました。今年はどうなるか要チェックです。
眼視観測(目で見る場合)-2023年は条件良好
前述のとおり、2023年は月巡りはよく、月明りを気にする必要はありません。ピークが13日17時JST頃と夕方なのは残念ですが、流星数自体は多少時間がずれてもそこまで急激な現象はしません。13日夜半頃から14日にかけて、またはその前の12日夜~13日明け方にかけてご覧になるとよいでしょう。シミュレーション上は、13日夜~14日明け方の方が少し多く見られるようです。
2021年にはピークから約1日半後に突発出現が観測されました。今年はどうなるかわかりませんが、その時間帯は今年だと15日6時頃(日本時)に相当し、日の出後となってしまいます。
日本時間で2023年8月14日02:00(東京)の夜空.
星図:StellaNavigator/AstroArts (アストロアーツ楽天市場店)/(Amazon)
電波観測の場合-エコー数は少ないがロングエコー数は年間最大
ペルセウス座流星群の対地速度がはやいため、流星電波観測ではあまり多くの流星エコーを捉えることができません。活動規模としては7月末のみずがめ座δ流星群よりも低く、眼視観測の印象とはやや違います。一方で、ロングエコーはとても多く、1日当たりのロングエコー数は年間最大規模となるでしょう。10分間の観測画像に複数のロングエコーが記録されることもあり、とても華やかな印象です。
2023年はピーク時刻(13日17時頃)は放射点が1日の中でも一番低い時間帯に相当します。前後数日は活動が見られるでしょう。なお、2021年に見られた突発出現も要チェック。2023年は見られない可能性はありますが、今年は15日6時頃に相当します。
<ペルセウス座流星群 参考情報>
眼視観測における注意事項
・夜は夏でも冷えます(夜露で体が冷えます).必ず長袖を準備しましょう.
・野生動物に注意.タヌキやイタチはよく見ます(熊や鹿,猪など大型の動物情報に注意).
・私有地への無断立ち入りは絶対ダメ.そしてゴミは持ち帰りましょう.
・流星に感動する気持ちはわかりますが,大声で叫ぶのはやめましょう.
・車で居眠り運転をしないよう計画的に移動しましょう.
・新型コロナウィルス感染症対策にご協力ください.
・治安には十分ご留意頂き,お子様には必ず大人の方が付き添ってください.
参考情報
流星群情報
・目で見ることを想定した毎月の流星群ガイド
(7月の流星群情報/8月の流星群情報)
・電波観測を想定した毎月の流星群ガイド
(7月の流星群情報/8月の流星群情報)