2024年1月度月例報告(RMOJ)

2024年1月度の日本国内流星電波観測者による電波観測結果の月次報告です.流星活動状況の報告,ロングエコーの出現状況などを掲載しています.

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2024年1月度トピックス

1月の流星群はしぶんぎ座流星群がピークを迎えました.また,コラムにも掲載しましたが,ここ数年観測されてきた朝鮮半島の電波が停止されたことにより,国内のFROサイトのデータが激減しています.

しぶんぎ座流星群

2024年のしぶんぎ座流星群は、例年よりも活発な活動でした。Activity Levelと杉本弘文氏によるZHRr(流星電波観測結果から推定したZHR)の結果を以下に掲載しておきます。ピークは太陽黄経λ⦿=283°.04~283°.17(1月4日15時~18時JST)と推定され、Activity Level(AL)=8.3、ZHRr=226を記録しています。このピーク後には、λ⦿=283°.43~283°.55(1月5日0時~3時JST)付近で、AL=7.4とZHRr=135のサブピークが観測されています。2023年のふたご座流星群は,メインピークは例年通りλ⦿=262°.00(12月14日23:30JST)頃にピークを迎えた様子.ピーク値はActivity Level(AL)=6.2±0.3と過去10年平均値AL=4.5と比較すると約1.5倍となりました.杉本弘文氏による推定ZHRrは188±24に達しています.

2024年しぶんぎ座流星群
2024年しぶんぎ座流星群結果(左:Activity Level、右:ZHRr

Lorentz曲線で要素分解すると、主活動は、ピークがλ⦿=283°.13(1月4日17:30JST)でAL=8.5、サブピークがλ⦿=283°.47でAL=6.5と推定されます。活動レベルは過去10年平均値AL=4.5と比較すると2倍近い活動規模。過去には、2002年と2014年、2016年、2019年に同規模の活動が捉えられています。一方で、メインピーク後のサブピークは2005年、2010年、2013年そして2018年に記録されています。サブピークをもたらしている原因はわかりませんが、時折面白い活動を見せてくれる流星群です。

朝鮮半島の電波が停止

ここ数年国内FROを支えていた、朝鮮半島の送信電波が1月11日以降順次停止し、14日にはほぼ全ての電波が停止しました。国内では89.4MHz、92.5MHz、92.8MHz、97.0MHzなどが利用されていましたが、全て受信されなくなりました。エコー数が豊富で有意義なデータが取れており、アンテナもFMアンテナなので軽くて安かったので、観測を始めるにはとてもよかったのですが、これも地政学的なリスクをそもそももっていたため、致し方なしでしょう。詳細は以下の情報をご覧ください。

[続報]朝鮮半島のFM放送について

月例報告・Activity Level

流星電波観測会報(月例RMOJ)

Radio Meteor Observation in Japan No.267として更新.国内8地点11データを収録.
(藤戸健司様,杉本弘文様,坪井正紀様,中村知弘様,信太浩信様,大塚博隆様,鈴木浩様,小川宏)

2024年1月ActivityLevel(日本国内のみ/統合グラフ)

RMOJのデータに加え,狩野正樹様のデータも加えて算出しています.上旬の増加はしぶんぎ座流星群の影響です.なお,1月中旬以降データのばらつきが大きくなっているのは,朝鮮半島のFM電波が停止したことにより,国内FRO観測地点が減少,データ数が少なくなったためです.

2024年1月度 Activity Level
2024年1月度 Activity Level(国内データのみ、UT)

ロングエコー関連の報告

1日のロングエコー(国内統合)

2024年1月のロングエコーは,しぶんぎ座流星群の時期に多く流れています.例年並みか,例年よりもやや多めだったようです.それ以外は特別多いといった時期はありませんでした.

ロングエコー(1月度投稿数:–集計中–件)

2024年1月は全体で—件の投稿がありました.60秒を超えるロングエコーは–件.内,2分越以上は–件、3分以上が–個でした.

本リストはあくまでロングエコー掲示板などに投稿された数です.従って,報告数=出現数はイコールではあません.

*現在集計中*

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投稿者 継続
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