2024年9月度の日本国内流星電波観測者による電波観測結果の月次報告です.流星活動状況の報告,ロングエコーの出現状況などを掲載しています.
2024年9月度トピックス
9月は特に主要流星群はありません。ぎょしゃ座流星群(ピーク:λ⦿=158°.178)は、2021年に活発な活動を見せましたが、その後、電波観測では、目立った活動を検出していません。2024年もλ⦿=159°.5(9月1日19時UT)付近でActivity Level=0.5と頭ひとつ出ているようにも見えますが、突発出現は捉えられていません。この他、9月9日頃(λ⦿=166°.7)にピークを迎える9月ペルセウス座ε流星群ですが、2024年の活動は不明瞭なものの、λ⦿=166°.8~167°.2付近の活動はプラスに振れており、Activity Levelも0.5付近。ただし、データのばらつきが大きく参考程度です。
ろくぶんぎ座昼間流星群
毎年確実に活動を捉えている昼間流星群です。昨年は過去平均値と比べるとやや活動規模が高くなりましたが、2024年も例年の値と比較すると、データのばらつきが大きいものの、やや高めだった可能性があります。一昨年の2022年と比べると、明らかに活動規模が高く見えます。9月月末の活動規模がやや高めだったことと関連している可能性があります(詳細な時間的な整合は今後)。推定ピークはλ⦿=187°.7(9月30日17時UT)と、過去平年値(λ⦿=188°.8)よりも早く、Activity Level=0.6でした。
月例報告・Activity Level
流星電波観測会報(月例RMOJ)
Radio Meteor Observation in Japan No.275として更新.国内7地点9データを収録.
(藤戸健司様,杉本弘文様,坪井正紀様,中村知弘様,信太浩信様,大塚博隆様,鈴木浩様)
2024年9月ActivityLevel(日本国内のみ/統合グラフ)
RMOJのデータに加え,狩野正樹様のデータも加えて算出しています.特に目立った活動はないように見えますが、9月27日以降のエコー数が多めです。
ロングエコー関連の報告
1日のロングエコー(国内統合)
9月の国内電波観測によるロングエコー数は、1ヶ月を通して過去5年平均とほぼ同規模で推移しました。なお、9月7日JSTと9月29日JSTは周辺と比べると突出しており、特に9月29日は前後と比べると2倍以上の出現数でした。