2024年10月度月例報告(RMOJ)

2024年10月度の日本国内流星電波観測者による電波観測結果の月次報告です.流星活動状況の報告,ロングエコーの出現状況などを掲載しています.

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2024年10月度トピックス

10月はオリオン座流星群や10月りゅう座流星群がピークを迎えます。 他にもλ⦿=192°.6でピークを迎えるとされる10月きりん座流星群がありますが、特にその時間帯にピークとみられる顕著な活動はありませんでした。ただし、λ⦿=192°.05(10月5日3時UT台)で頭一つ値が飛び出ているのが気になります。Activity Levelの値は0.6±0.3です。誤差なのか、何らかの活動によるものなのか、現時点ではわかりません。

10月りゅう座流星群

10月りゅう座流星群の電波観測結果です(世界データ統合)。国際流星機構(IMO)のMeteor Shower Calendar に、2024年はダストトレイルとの接近が予想(10月8日6時UT台)されていました。結果として、λ⦿=195°手前(10月8日2時UT頃)からエコー数が増加し、λ⦿=195°.05(10月8日4時UT台)にActivity Level=1.0±0.6を記録しています。その後、エコー数が一旦落ちますが、λ⦿=195°.13(10月8日6時UT台)にActivity Level=1.0±0.3を記録しています。杉本弘文氏が推定するZHRrでは、前者はZHRr=72、後者がZHRr=51となっています。5時UT台の減少をどう見るか?は議論ポイント。また、Activity Levelでは、λ⦿=195°.13のピークは規模・時刻共に確からしいですが、λ⦿=195°.05のエラーバーが大きく、誤差を考えた場合に、活動規模としてはそこまで大きくなかった可能性もあります。

10月りゅう座流星群-流星電波観測結果(世界統合データ)
10月りゅう座流星群-流星電波観測結果(世界統合データ)

オリオン座流星群

2024年は特に異常はなく過去平均値と同規模でした。推定ピークはλ⦿=209°.5(10月22日17時UT台)と過去平均値(λ⦿=208°.6)よりは遅め。ただし、ピーク規模が小さく、活動がフラットなので、ピークの前後は普通に起きてしまいます。従ってピーク時刻はあくまで参考程度で扱ってください。杉本弘文氏の集計においては、活動の中心がλ⦿=207°.4、ピーク付近の推定ZHRrは48時間平均でZHR=22。

オリオン座流星群-流星電波観測結果(世界統合データ)
オリオン座流星群-流星電波観測結果(世界統合データ)

月例報告・Activity Level

流星電波観測会報(月例RMOJ)

Radio Meteor Observation in Japan No.276として更新.国内7地点9データを収録.
(藤戸健司様,杉本弘文様,坪井正紀様,中村知弘様,信太浩信様,大塚博隆様,鈴木浩様)

2024年10月ActivityLevel(日本国内のみ/統合グラフ)

RMOJのデータに加え,狩野正樹様のデータも加えて算出しています.20日~23日付近と1日~4日のActivity Levelがプラスに振れています。前者はオリオン座流星群によるものでしょう。後者は、ろくぶんぎ座昼間流星群による増加の可能性があります。

2024年10月の日本国内データによるActivity Level(UT)
2024年10月の日本国内データによるActivity Level(UT)

ロングエコー関連の報告

1日のロングエコー(国内統合)

10月の国内電波観測によるロングエコー数は、1ヶ月を通して過去5年平均とほぼ同規模で推移しました。オリオン座流星群の影響と思われる増加は21日と22日(いずれもJST)。前後の日付はさほど多くはありません。この他、17日と30日も前後の日付と比べると多く観測されました。

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