2024年11月度月例報告(RMOJ)

2024年11月度の日本国内流星電波観測者による電波観測結果の月次報告です.流星活動状況の報告,ロングエコーの出現状況などを掲載しています.

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2024年11月度トピックス

しし座流星群

流星電波観測国際プロジェクト(IPRMO)による、しし座流星群の電波観測結果です。

2024年しし座流星群世界統合結果
2024年しし座流星群世界統合結果

2024年はいくつかのダストトレイルとの接近が予想されていましたが、顕著といえるような活動はなかったと推測されます。ただし、太陽黄経λ⦿=230°.53(11月13日3時台)では、国内の多くの地点でエコー数が増加し、前後の時間と比較しても明らかに活動レベルが上がりました。上グラフの左下のグラフがその拡大ですが、λ⦿=230°.4付近からλ⦿=230°.6付近で増加が見られます。ただし、これがしし座流星群によるものかどうかは現時点では不明です。ただ、国内の多くの地点で上昇していることを考えると、偶然の産物と片付けるには若干無理があると思いますので、何らかの活動があった可能性はあります。なお、この日のロングエコー数は特段多いといった傾向はありません。

月例報告・Activity Level

流星電波観測会報(月例RMOJ)

Radio Meteor Observation in Japan No.277として更新.国内7地点9データを収録.
(藤戸健司様,杉本弘文様,坪井正紀様,中村知弘様,信太浩信様,大塚博隆様,鈴木浩様)

2024年11月ActivityLevel(日本国内のみ/統合グラフ)

RMOJのデータに加え,狩野正樹様のデータも加えて算出しています.1月19日~23日のプラスに振れているのはしし座流星群の活動によるものでしょう(意外と顕著に見える)。上記のしし座流星群グラフでは「通常レベル」を過去の集計通り11月1日~10日で定義していますが、仮にこれを8日~11日で定義すると、(データ数は少なくなりますが)太陽黄経238度(20日頃)を中心とした緩やかな高原状の活動が見て取れます(Activity Levelは0.4を切るので、参考程度ですが)。

この他、13日(UT)手前の増加は、前述したしし座流星群・太陽黄経λ⦿=230°.53(11月13日3時台)の増加に伴うもの。11月上旬はおうし座流星群によるものでしょう。

2024年11月の日本国内データによるActivity Level(UT)
2024年11月の日本国内データによるActivity Level(UT)

ロングエコー関連の報告

1日のロングエコー(国内統合)

11月の国内電波観測によるロングエコー数は、しし座流星群の時期に顕著に増加しました。特に18日と20日は前後の2倍~3倍程度観測されており、過去5年平均と比較しても2倍の出現数となっています。なお、19日は過去5年平均の1.2倍とそこまで多くはありません。この他、11月上旬のロングエコー数も比較的多く、過去5年平均よりも高めで推移しました。

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